膨大な量のデータを有する人工知能、クラウドコンピューティング分野の活発な開発に伴い、高速データ転送に対するシステムの需要が高まり続けています。CPU中央処理装置は高速信号転送の中核であり、IntelやAMDなどのCPUチップサプライヤの主導でシステムの転送インターフェースはPCIe 5.0世代に入り、シングルレーンの転送速度は前世代のPCIe 4.0の2倍である毎秒32Gbpsに達します。ただし、PCIe 5.0の高速転送環境では、信号の減衰やマザーボードへのノイズの影響による互換性の維持が、システムインテグレーターが直面する課題となっています。Phison Electronics社は本日(5/18)、CPUとSSDやグラフィックカードなどの周辺装置との間の高速信号転送による互換性の問題を解決するために、PCI-SIG Associationによって認定された世界初のPCIe5.0リピータIC PS7101を発売しました。
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Phisonが世界初のPCI-SIG認定PCIe5.0リピータIC PS7101を発表 |
デスクトップコンピューター、サーバー、産業用コンピューター、ケーブル、ノートブックコンピューター等のPCIe 5.0高速転送では、信号の減衰の程度と補償チャネルの数に応じて、2〜16個のリピータICが必要になります。市場調査機関によると、高速転送信号増強IC(リピータおよびリタイマーICを含む)は、2025年に年間5000万個の市場規模に達すると言われています。
Phisonは、高速転送インターフェース技術の研究開発に長い間取り組んでおり、PCIe 5.0 PHY物理層IPを独自に開発した台湾で数少ないIC企業の1つです。今回発売されたPCIe 5.0リピータIC PS7101は、フリップチップパッケージングと独自のテスト技術の採用により、ICパッケージングによって引き起こされる信号反射およびクロストーク干渉を低減させています。また同時に、IC熱放散能力を向上させ、PCおよびサーバープラットフォームボード、ライザーカードでの高速転送信号の減衰の問題を解決するために高ゲイン、高線形を実現した費用効果の高いIC製品となっています。
PhisonのPCIe 5.0リピータIC PS7101は、マルチバンドに依存しない補正を提供し、システムR&DエンジニアがさまざまなケーブルやPCB材料のパラメーターを個別に調整して信号減衰に最適な補正を実現しています。さらに、Phisonは、自社設計のSSD製品で使用できる特許取得済みの自動調整ツールを提供し、顧客の開発環境にさまざまなリドライバーゲインパラメーターを自動的に取り込み、対応する最適なパラメーターを見つけだします。これにより、システムインテグレーターは、製品を市場に投入するまでの時間を短縮できます。
Phisonは、高速伝送ICのサプライヤーの1社であり、さらに信号システムの分析、シミュレーション、および互換性の問題で顧客を支援できるパートナーでもあります。私たちの目標は、高速インターフェースプラットフォームの開発においてお客様が直面する技術的な問題を解決するための完全なサポートソリューションを提供し、CPUチップメーカーによる新製品の登場でますます高速化するインターフェース技術を、すべてのプラットフォームで幅広く使用できるようにすることです。
Phisonの潘健成CEOは、次のように述べました。
「ファイソンのPCIe 5.0 リピータIC PS7101は、PCI-SIG Associationの厳格なテストに合格し、Associationの認証マークを取得した世界初のPCIe 5.0 リピータICです。Phisonは、PCIe 5.0リピータICに加えて、さまざまなシステム環境での使用に適した新世代のPCIe 5.0リタイマーIC(サンプリングは2023年前半に開始予定)も開発しています。将来を見据えて、Phisonはこれからも関連するICの設計に注力し、信頼性が高い高速ストレージ・高速転送ソリューションを作成し、グローバルな顧客の繁栄に貢献していきます。」
PhisonのPCIe5.0リピータIC PS7101はサンプルの提供を開始し、多くの主流のマザーボード、サーバー、産業用コンピューター、ケーブル開発者からシステム設計のインポートを受けています。本格量産は2022/Q3の予定です。